ロングアンドショートステッチとは?
刺繍をしていると必ずと言っていいほど出てくる「ロングアンドショートステッチ」。
広範囲を埋めるのに使うステッチですが、刺しゅうカフェでもよく
「どのように刺したらいいかわからない」
「均等に刺すことができない」
など相談をいただいたりします。
ロングアンドショートステッチは、ステッチの技法自体は簡単なんですが、図案の形によって針の進め方が迷ってしまうことも多いんです。
慣れてコツをつかむまでがちょっと難しいのかなーと思います。
私の経験談も含めて、ロングアンドショートステッチをうまく仕上げるコツを紹介していこうと思います。
ロングアンドショートステッチって、どんな時に使うの?
- 大きな面を刺すとき
- 動物などの毛並みを表すとき
1.サテンステッチでは埋まりきらない大きい面を刺すとき
面を埋めるときにはサテンステッチを使いますが、とても大きな面を刺すときには、サテンステッチの1針分が長すぎると下地の布が見えてしまったり、糸がゆがんで出来上がりが美しくなくなったりします。
パーツをうまく分けて、こまかくサテンステッチで埋めたほうが光沢は出るんですが、どうしても大きな面になってしまうときにはロングアンドショートステッチにしています。
以上になってしまいそうなときは、ロングアンドショートステッチを使ってみているよ。
2.動物の毛並みや物の質感を表すとき
私はこの使い方をするときのほうが圧倒的に多いです。
動物の刺繍の毛並みを表すときは、小さい図案でもわざとロングアンドショートステッチを使うことで質感を表すことができます。ほかにもバスケットの網目模様や、洋服の繊維、建物の壁の質感などを表したいときに使います。
基本のロングアンドショートステッチのやり方
まずは、順番に基本のやり方を見ていきましょう。
均等な形の図案にロングアンドショートステッチを刺してみます。
基本のロングアンドショートステッチ
1.図案はサテンステッチと同様埋めてしまうので、刺し始め・刺し終わりの処理をします。
【参考記事】玉止めを作らずキレイに糸始末♪刺繍の刺しはじめと刺し終わりを動画で解説♪
2.図案の端から刺していきます。端から長い針目と短い針目をランダムに刺していきます。
3.端(1段目)が埋まったら、少し先から針を刺して平行に保ちながら、長い・短いを繰り返して刺していきます。
4.残りの部分も、同様に隙間を埋めていきます。
5.ロングアンドショートステッチの完成です。
ロングアンドショートステッチの基本のコツ。
糸の本数はどうする?
糸の本数のおすすめは2~3本どり。私は基本は2本どりで刺しています。
理由は単純に刺しやすいからです。笑
サテンステッチと同様に、2~3本どりは面を埋めるときに細かい修正がききやすいのでお勧めです。
本数どりを多くすれば面は早く埋まりますが、カジュアルで素朴な雰囲気が前面にでた感じの刺繍になります。
逆に、少なくして1本どりをすると細かい表現ができます。
参考:この作品の髪の毛部分はロングアンドショートステッチ。2本どりと1本どりを組み合わせています。
ステッチの糸の長さは?
前述したように、ロングアンドショートステッチはサテンステッチでは埋まりきらない面を刺すときに主に使います。
そのため糸の長さも図案によりけりで、変えてみるとより良いと思います。
- 長い針目:1㎝~7㎜
- 短い針目:5㎜
くらいを目安に刺すのが、一般的と言われています。
ロングアンドショートステッチをきれいに仕上げるコツ
私ももともとは、サテンステッチをはじめとした面の刺繍はとっても苦手でした。
特にロングアンドショートステッチって、いろんな図案に応用されてる分、頻出するステッチなんですよね。
説明は「長い針目と短い針目を交互に刺し、2段目も同様に刺す」と指南されていることが多いですが
図案が多いがゆえに、いろんな形の図案のパターンにぶち当たっては、
「え?この図案だと、ロングアンドショートステッチの基本ではさせない・・・」っていうことがどうしても多く
「できない…」につながってしまい、苦手意識が強かったんです。
それでもいろんな図案を試してきたことで、きれいに刺せる「自分流のルール」を見つけたので、ご紹介しようと思います。
あこの自己流、ステッチをきれいに仕上げるコツ
- 1段目、2段目、という考えを捨ててみる。
- きっちり刺すパターンと、ランダムに刺すパターンを自分で分ける。
- うまくサテンステッチを組み込む。
1段目、2段目がうまく作れない?
これ、ロングアンドショートステッチをしてると絶対に浮かんでくる悩みだと思うんですよ。
「ロングアンドショートステッチ」の「ここはロングアンドショートステッチで刺してください」って書いてあるのに、
実際は1段目2段目がどうやって作られているかわからず、それでも忠実に段を作って刺していくと、ずれてきたりしますよね。
そんな時には厳密に段数や糸の長さは気にせず、ランダムに糸を長い・短いと繰り返して図案を埋めていきましょう。
こんな図案の時どうする?
- きっちり刺すとき
→まっすぐな直線だけで構成されているような図案。
均等な図案を埋めるときには1段目・2段目と考えて刺していくと均等に刺すことができます。
いわゆる「図形」に近い形のもの、パーツごとにわけて単純な四角・丸・三角・扇形などに該当するものは段数を分けて刺していくとわかりやすいです。
- ランダムに刺すとき
→図案に曲線が多くパーツ分けしてもいいような図案
曲線があったりする場合は段数を数えて刺すとやりにくいので、
臨機応変に斜めにしたり、足りない部分に糸を足して刺したりしてランダムに埋めていきましょう。
部分的にサテンステッチと組み合わせて刺すとバランスよく仕上がります。
【参考記事】チューリップのお花を刺繍で!刺繍の基本ルールを簡単に覚えよう。
まとめ
- 長い針目は1㎝~7㎜、短い針目は5㎜を目安に刺す。
- 糸の本数は2・3本どりがおすすめ。
- サテンステッチが1㎝以上にわたりそうなときにロングアンドショートステッチを使う。
- 段数で数えて刺す場合と、ランダムに刺す場合を考えて刺す。